【読書】 『爆速経営』 ヤフーさん爆速でお願いしますっ!

 
かば式です。

ヤフーの経営改革の物語を描いた爆速経営の読書メモです。
『爆速』が『爆速』たる所以があますことなく書かれてます。

かば式の気づき

  • 『速さ=正義』につきるっ!!
  • 踊りゃにゃソンソンな雰囲気がダイジ。踊ってる奴を評価せよっ!!
  • Tシャツ作るかぁ。

▼ヤフーにおける閉塞感

閉塞感の要因(不満)は以下の通り。
・スピード感の欠如
何を始めるにも踏むべき手続きが多く、時間がかかりすぎる。
・過度なリスク回避志向
保守的な考えが蔓延し、いつの間にかやならない理由を考えるカルチャーが定着している。
・組織の風通しの悪さ
組織の縦割り構造の弊害。社員ひとりひとりの当事者意識の低下、社内の内向けの調整に多大な労力を要する。
これらの不満は閉塞感として組織に鬱積し、社員の志気低下が常態化する。
「どうせ通らないからやめておこう。」「頑張っても頑張らなくても成果が変わらないなら、頑張らないでおこう。」といった考えが蔓延する。

▼大事なのは誰をバスに乗せるかである。

適材をバスに乗せて適所に座らせ、「不適材」はバスから降ろす。経営は厳格な能力主義によって最高の人材をバスに乗せ、最適の席に座らせているかどうかをチェックするべきである。経営が傾いているとすれば、能力主義を貫いていない証拠である。
 事業範囲が広いと全て一人でこなすの無理。分からないのにできるふりをしてもしょうがない。分かるやつが集まればよい。

▼ヤフーとは何のために存在するのか。

会社の価値観は不変のもの。理念と言い換えてもいいもの。そこに軸があるから会社に軸が生まれる。
 新生ヤフーの理念
  「僕らは課題解決エンジンを目指し、何よりもユーザーファーストを考える。」

▼改革というのは浮くこと

正しいと思っていることを持続させないと、本当の改革にはならない。改革を1人でやり続けるのはすごくしんどい。だから、フォロワーシップというか、サポートにつく人がすっと手を差し伸べてくれると、やりきれる。そのための体制が必要。
 改革は最初5%が賛同するけど、マイノリティの存在にならざるを得ない。それが、徐々に増えて20%を超えたら、もう変わらないと格好悪くなるから一気に変わる。でも、20%に行くまでがすごくしんどい。 

▼どんな目標を掲げるのか

世界で勝ち残るような企業はみんな努力している。みんな汗を流している。しかし、重要なのはどこに向けて汗を流すのか、何に向けて力を合わせるかだ。
会社のあるべき姿を定めた理念が企業の生き様だとすると目標は具体的な行動計画にあたる。数字と期限を記した目標をもつべき。目標を決めればやること(戦略)も決まる。

▼組織は原理原則で動かす

意志決定をする判断のよりどころとなるルールを公開し、社員に周知させた上で事業を進めるというスタイル。社員が自立的に動く、権限委譲型のマネジメント。
 原理原則の例 
  ヤフー番付 
   サービスの順位を明確に定める。
   順位の基準 利益、利用頻度、課題解決度
   順位は毎月公開される。
原理原則は事業評価の基準となる。その基準および評価がオープンに公開されていることが大事。社員は何を頑張れば良いかが一目瞭然。

▼意志決定と挫折の数が経営者を磨く

経営者には2つの要素しかない。1つはいかに多くの意志決定をするかということ。もう1つはいかに早く挫折を経験するかといこと。ゆえになるべく早い段階で権限と責任を与えて意志決定をする機会を増やす仕組みを整えた。

▼マネジメントとは

マネジメントというのは人に結果を出してもらうことが仕事。自分ではない人が結果を出せるように、どうサポートするかが本質的に重要。

▼経営というのは軍議長くすべからず

軍議、すなわち会議は長くやればやるほど不安なことが増える。あれは大丈夫か、これは問題ないか、とやっているうちに、結局やめようとなってしまう。だから、決断というのは思い切りが大切。

▼10倍挑戦、5倍失敗、2倍成功

自分の判断が不確実だからこそ、挑戦の回数を府やし、失敗後に挽回できる時間的余裕を確保し、結果として成功例を増やしていく。天才でも、カリスマでもないリーダーだからこそ、何度も挑戦できる機会をつくらなければならない。そのためには、意志決定の早さは必須の要素である。

▼既成概念を壊す

とにかく、先行他社の真似をしていても、彼らを絶対に超えることはできません。ナンバーワンになるためには、ゲームのルールを変えていかないといけない。

▼複雑なことを単純化しないと気がすまない

宮坂は何よりも言葉にこだわる。聴衆の頭にすっと入ってくるような、端的で理解しやすいフレーズを選ぶ。裏返せば、どんなに重要な内容でも、その本質を簡潔な言葉で表現できなければ人の意識には残らない。そして、難度は聴衆が多ければ多いほどあがる。長々と文章を読み上げても、ほとんどの内容は記憶に残らない。

▼「爆速」というワンフレーズ

単なるフレーズで終わらせないよう、いろいろな仕掛けの準備が必要。
Tシャツ、ステッカー、グッズ作り。ポスター貼り。
爆速化賞。言葉を浸透させると共に言葉通りに動いた人を評価するという認識を社内に刷り込む。
要はフレーズの言霊化。

▼爆速化のポイント

組織改革 中央集権の大きな組織から権限委譲された小さな組織へ。企画立案から実行までのスピードをあげる。大きな組織は官僚化を生みだし、スピードが衰え、停滞する。
 察知力の強化 さまざまなデータを基に的確に現在の競争状況を捉え、将来の展開を予測しながら手を打つ力を強化する。
 プロトタイプ主義 リーンスタートアップ。小さく始めて大きく育てる。走りながら考える。まず形で見せる。

▼会社の価値とは

人に生きてて良かったとか本当に楽しいと心の底から言えるような仕事ができる場を提供することが会社の価値。そのためには、社員がやりたいと思える仕事を見つけてあげることが大事だし、そのベクトルと会社の利益のベクトルをあわせることが大切

▼組織の活性化に向けて絶対に外してはならないポイントとは

誰かに「見られている」と本人に意識されることにつきる。
人は見られることで自分を意識する。自分の仕事が見られていると感じることで、仕事に対する意識に明らかな変化が生まれる。
ヤフーの取り組み
 ワンオンワンミーティング 週1で直属の部下とミーティング ティーチング、フィードバック、コーチングの3種類の手法で部下とコミュニケーションをとる。
 斜め会議 同格の立場にいる組織の部長がお互いの部下から、それぞれの上司の評価を聞き出す。
 あらゆる方向から見られていることを自覚してもらうための仕組みが整っている。

▼人事評価制度の要諦は3つしかない。

まず、頑張る人が報われるということを社内に周知させること。
そして、実際に頑張った人に報いること。
さらに、どうしたら報われるか、その基準を明確にすること。
この条件が満たされていれば、組織は活性化する。
また、評価の基準には会社の価値観をもってこないといけない。会社の価値感を人事評価に持ってくることで、初めて価値観が定着する。

▼大切なのは解き方より課題発見力

机の前に座ってうなっていても答えは見つからない。課題が何かを見極めるためには現場に出て、人に会わなければダメだ。現場に足を運ばなければ本当の課題は見えてこない。
現場でどのような工夫をするのかというと・・・
まずは、課題発見の環境づくり。人がふらっと訪れて雑談できるような雰囲気。縁側のような空間づくり、ハッカソン等のイベント。
もうひとつは、異質の考えを持つ者同士をつなぐこと。普段触れあわない異質をつなぐ仕組み。
 

爆速経営 新生ヤフーの500日

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